■black ■ev/cg/06_01.jpg +fade いったい、何が起こっているのだ? 微風は、少しづつ速度をはやめている。 もう、間違いようがない事実だった。 この風は―――眼の前に横たわっている少女の死体の、口から漏れている呼吸息だ! その証拠に、彼女の顔の前に貼り付けられた霊符の紙が小刻みに揺れているではないか。 それに気がついた途端、文字通り背筋が凍りついた。 恐ろしさの余り、身動きすら出来ない。 ―――胸が…… 少女の小さな乳房が、ゆっくりとだが、膨らみ、そして、萎む。 長い間隔をとって、盛り上がり、沈み込み、上下に動き出している。 ■ev/cg/06_02.jpg 【少女】 「……ふっ、ふっ、ふうっ……」 (―――! 生き返った―――?) 【少女】 「ふうっ、ふっ、ふっ、ふっ、うくっ……はっ、はっ、はっ、はっ、はぁ、はぁ……」 (―――物怪? 尸解仙?) 書物で読んだ怪異の記録の数々が頭をよぎる。 青年は心底恐怖を感じた。それは、生き物が根源的に抱く、『死』に対する恐怖だった。 人間がもっとも恐怖を抱く物ーーそれは、死体ではない。死体になりつつある人体だ。 だが、彼の目の前に居るこの女の形をした『死』は、その逆に向かっている。 動かなくなる生者、動き出す死者―――ーそれぞれ、その一瞬を切り取ってみれば、見分けがつかない。 しかし、生と死の、その端境に漂っているこの娘の、なんと美しいことか――― 死者の干上がった喉の奥から、やがて、しわがれた声が漏れ出てきた。 ■ev/cg/06_03.jpg 【少女】 「あなたは……だれ……あたしに……なに、するの……い、や……やめ……て……どい、て……」 【少女】 「どう……して……こんなこと……する、の………」 ■ev/cg/06_04.jpg 【少女】 「……おね、がい……ひどい……こと、しない……で………」 「違う―――ッ……私は、君を………っ」 ■black ―――君を? 君を、何なのだ? たった今、俺は、この娘をどうしたのだ? ■ev/cg/06_05.jpg どんな言い訳を取り繕うが、今、お前がやっていることは、相手に同意も得ずに処女の肉体を貪っているだけではないか。 欲情に駆られてこの娘の女陰を強引に抉じ開け、獣欲の儘に腰を振って乙女の裸身を己が陰茎で穢しているではないか。 嫌がりもせず物も言わぬ処女の女体を浅ましく貪り尽くすことが出来る絶好の機会だから、老人の申し出に飛びついた。そうであろう? ■black ―――違う、俺はこの娘が憐れと思って…… ■ev/cg/06_06.jpg 憐れだと? そうじゃないだろう…… ■black +fade 憐憫を感じたのは確かだが、それだけでこの奇妙な婚礼を承諾したわけではあるまい。 ■ev/cg/06_07.jpg 目を閉じた娘の横顔を見て、その透き通った美しさにときめいたのではないか? 娘の閉じた唇と冷たい頬に、己が唇を這わせたいと思ったのではないか? ■ev/cg/05_12.jpg 横たわった娘の細い身体に、小さく膨らんだ乳房に、恥毛も生え揃っていない滑らかな恥丘に、己の手のひらで、指で、舌で、触れてみたいと望んだからではないか? ■ev/cg/06_07.jpg +fade お前はこの娘の可憐さに惹かれていたのだ。 ■black ―――どちらが本心だ? ―――そうだ、取り繕うのは止めよう。 ■ev/cg/05_15.jpg 俺は一目この娘の姿を見たときから、この少女に心奪われていたのだ。 相手が誰かも知らず恋に落ちることがあるならば、相手が死者かどうかも知らず恋に落ちる事も有ろう。 本当に?本当にお前は、この娘を愛しているのか? これが愛か恋か、それとも只の憐憫か、あるいは邪な情欲か、それは自分でも分からない。 だが、これははっきりと言える。 ■ev/cg/06_09.jpg 今、俺はこの娘を抱きたい。 ただただ、抱いて抱いて抱き締めて、思う存分、この華奢な身体の中に己の精を吐き出したい。 ■black その証拠に、俺の股間の肉茎はこの少女の裸体を前にして、びんびんと張り詰めているじゃないか。 言い訳するまい。殺されたとて後悔するまい。 ■ev/cg/06_03.jpg ただ、今、この瞬間、俺が心から欲しいのは、この娘のこの体だ。 「―――好きだ!」 ■ev/cg/06_10.jpg 【少女】 「……………え?」 「好きです!好きです、貴女のことが……名前も知らぬ貴女を、言葉も交わさない貴女を、私は愛してしまいました―――」 「祖父殿に頼まれて、今晩貴女と同衾するのを承知したのも、本当は私が望んでいた事だったからです。貴女を抱けるなら、死者との婚姻であっても構わない、と思いました」 「穢らわしい恋だと罵り下さい。それでも、私は貴女を手に入れたくて仕方がなかったのです」 【少女】 「えっ……えっ?え?」 「だから、もう一度貴女を抱きます。今度は、生きて目覚めている貴女を抱きます――― 「お叱りは承知の上です。私は貴女の前から逃げ出したりしません、ずっと一緒に居ます――― 「だから今この時だけ、どうか私の想いを遂げさせて下さい!」 ■ev/cg/06_03.jpg 【少女】 「えっ? あ、その……なんっ………?」 少女はまだ、口がうまく動かせないようだった。舌がもつれている。 青年は強引に口づけをすると、その少女の舌を吸い込むようにしてねぶった。 ■ev/cg/06_11.jpg 【少女】 「んぐっ……ん……んふ……ふ……く……んん………」 舐めていると徐々に、冷たかった少女の舌が柔らかくほどけてくるのが感じられた。 「言葉、出るようになった?」 ■ev/cg/06_16.jpg 【少女】 「う……あ……は、はい……」 【少女】 「しゃべれ……ます……すこし……わたし……ある……あるり……あり、がと……」 辿々しく、回らぬ舌で、絞りだすように声を出し、少女は青年に礼を述べようとしている。 思うように言葉が出てこないもどかしさに、少女は恥ずかしそうに身悶えした。 その仕草が、青年の情欲を一層駆り立てる。 白磁のように青白かった少女の肌は、今は上気した血流が廻り、今では健康的な赤みを帯びていた。 彼女の火照った恥じらいの表情を見つめていたら、青年は下半身から抑えきれない衝動が込み上げてきた。 「もうたまりません! 挿れさせて下さい!」 ■ev/cg/06_03.jpg 【少女】 「えっ、なん……なの……?」 「まだ痛いかもしれませんが、どうかご勘弁を!」 「失礼します!」 まだ十分に身動きできないでいる娘の両足を掴む。 力が入っていない状態の両足を開かせて、そこに我が身を挿し込んで身体の上にのし掛かる。 股間の熱り立った男根を、ぴっちりと閉じた娘の肉裂に押し当てると、少女の表情が変化した。 ■ev/cg/06_10.jpg 【少女】 「ひゃっ…………そっ、それ、は…………」 ■ev/cg/06_13.jpg ずぶずぶと少女の秘裂の中に、己の肉棒を潜り込ませていく。 先ほどはひんやりと冷たかった少女の女陰の中襞は、今は暖かくしっとり濡れて、男根を柔らかく包み込み心地よく締め上げる。 ■ev/cg/06_04.jpg 【少女】 「あっ……!きゃんっ………!あぁっ……だめ、です、こんな…………いきなり…………ああっ……」 「どうですか、感じますか? おれが貴女の身体の中ではち切れそうになっているのが、分かりますか?」 ■ev/cg/06_03.jpg 【少女】 「こ……こん…んっな……っのお……んんっぉ…………んんっ! ……っんんっ! こんなっ……いっ!いけな…ぁっ!」 耳元で甲高く上がる少女の甘い声色が、彼女の甘い体臭が、麻薬や酒などよりももっと強く脳天を直撃する。 ―――ああ、もう、果ててしまいそうだ……っ 「貴女の中で果てます。どうぞお許し下さい」 ■ev/cg/06_10.jpg 【少女】 「え? あ、う、あ……」 「今から、貴女の中におれの精を注ぎ込みます―――っ」 ■ev/cg/06_14.jpg 「だめです、もう、堪えきれませんっ」 「出るっ―――弾ける……っ」 「くっ、どうか受け止めて下さい―――」 ■ev/cg/06_13.jpg 【少女】 「ひっ―――あ、う、あ、あ、あ……」 どくどくと、自分の陰茎から迸り出た生温かい精液が、少女の細い膣道を通って胎内に注ぎ込まれているのが、触れている肌の感触から分かる。 「はあ、はあ、はあ―――分かり、ますか? 今、貴女の中に注ぎ込んでいるのが、おれの精です。感じられますか?」 ■ev/cg/06_03.jpg 【少女】 「あ……うん、……はい……なん……か、おなか……温かい……」 「血色も良くなってきたみたいだね」 ■ev/cg/06_12.jpg 【少女】 「はい……意識……はっきり……して、きて……」 ■ev/cg/06_16.jpg 【少女】 「あな……あな、た……あなたは………」 少女の言葉が、次第に明瞭になってきた。 唇や舌を動かす筋肉の強張りが解けてきたのだろう。 「焦らないで。ゆっくりと、話してごらん」 ■ev/cg/06_12.jpg 【少女】 「あなたは……貴方は……」 ■ev/cg/06_15.jpg 【少女】 「あなたは……一体、誰……?―――なぜ貴方は、ここにいるの?」 ■white +fade