1. (んっ……あ…………)

  2. 何だかお尻の辺りがモゾモゾする。

  3. 「うん……んんっ……」

  4. 満員電車の中なら、他の乗客と身体が接触することもある。
    淑子は腰を動かして、モゾモゾする感触を払いのけようとした。

  5. なのに、それでもモゾモゾする感触がまとわりついてきて、
    まったく離れてくれない。

  6. (私のお尻に何があたってるの?)

  7. 最初のうちは何なのかわからなかったが、
    次第にそれが男の手のようだと感じられるようになってきた。

  8. (誰かの手があたってる……ああっ)

  9. その手は淑子の臀部にべったりと手のひらをあて、
    上下左右に、あるいは丸く、撫でるように動いている。

  10. (ええっ……これってわざと触ってるんじゃ……。
     誰かがわざと、私のお尻を触ってる!?)

  11. そう考えると、淑子の臀部に触れている手は、
    明らかにその丸みを撫でまわすように動いていると判断できた。

  12. (誰から私のお尻に触ってるって……。
     私、痴漢されてるの!?)

  13. 淑子は満員電車に乗った経験が少なく、
    過去に痴漢被害を受けたことがなかった。

  14. 「あっ……ううん……」

  15. 数回身体をひねってみても、
    何者かの手が執拗に尻肉を撫でさすってくる。
    これはもう間違いない。

  16. (満員電車って、こういうものなの?
     周りにこれだけ人がいるのに……)

  17. まだ1駅分も乗車していないのに痴漢されるなんて。
    生まれて初めての体験に、淑子は背筋がゾクッとした。

  18. グウウウウウゥン……プシュ~。ガーッ。

  19. ようやく最初の駅に到着した電車が、停止して扉を開く。

  20. 「あっ……」

  21. 数人の乗客が下車して、数人が乗車してくる。

  22. 淑子の周りに動きはなく、乗客が入れ替わることはなかった。

  23. ガーッ。グウウウウウゥゥン……。

  24. 開いた扉が閉じて、電車が再び走りだした。

  25. 電車が止まっている間、痴漢の手は淑子の臀部から離れていた。
    その手がまた、コートの上から尻を撫ではじめる。

  26. 「ああっ……」

  27. 今の駅で降りよう、淑子はそう思っていた。
    しかし、走りだした電車の中に、こうして乗ったままでいる。

  28. (あああっ、イヤッ……)

  29. 再開された尻撫では、さっきより激しく、
    ねっちこい触り方に変わってきている。

  30. (満員電車に乗ると、必ず痴漢されてしまうの?)

  31. 両手にバッグを持っている淑子は、
    身体をよじる以外に痴漢の手から逃げる術がなかった。

  32. (あっ……どうしてっ!?)

  33. 誰かの手に触れられる感覚を、
    淑子は臀部だけでなく、胸にも感じた。

  34. (ああっ……イヤアアッ……。
     男の人の手が……私の胸に触ってる……。
     あはあぁ……も、揉んでるわ……うううぅん)

  35. 尻と胸とを、淑子は同時に男の手で嬲られている。

  36. (お尻を触ってるのとは違う人の手だわ。
     ふ、2人もいっぺんにだなんて……あああっ)

  37. 胸を揉んでいる男の腕を目で追えば、相手の顔がわかる。
    だが淑子はそうすることができず、ずっとうつむいたままでいる。

  38. (ああっ、ううん……これが満員電車なの?
     満員電車に乗ると、こんなふうにされちゃうものなの?)

  39. 後ろからと前からの同時おさわりに、
    淑子はくねくねを身体をよじらせる。

  40. (ああっ、そんなに揉んじゃ嫌……あはあああぁ……)

  41. 最初はコートの表面をさするような手つきが、
    乳房を揉みしだき、ぐいぐいこねまわしてくるようになった。

  42. (そんな……電車の中であからさまに……はあぁん)

  43. 乳房に指をくいこませ、丸みを鷲掴みにして、
    男の大きな手がモミモミしてくる。

  44. 「あはっ……ううん……」

  45. 淑子の乳房を揉みまくる手が、
    胸部の先端をつまんで強くつねってくる。

  46. 「はあああっ……そんなことまで……」

  47. その部分は硬くしこり、コートの生地を突き破りそうに尖っていた。
    この先端部をつまんでしごかれ、淑子は思わず声を出した。

  48. 「ああっ、ああああっ……」

  49. モミモミぐいぐい、2つの乳房が揉みまくられる。

  50. それ以前から撫でまわされていた尻も、
    より激しく摩擦され続けている。
    触ってくる手の数も増えている感じだ。

  51. (何人の人が、私の身体を触ってるの?)

  52. 3人か、4人か、それぐらいの数の手が一斉に淑子を嬲っている。

  53. 「ああ……あはあああぁ…………」

  54. モミモミモミモミ……ごしごしごしごし……。

  55. 走る密室の中で、
    たくさんの男の手が淑子の肉体を愛撫しまくる。

  56. 「えっ……はあああっ……」

  57. さらに手の数が増えて、
    あろうことか下半身の前面が愛撫されはじめた。

  58. 「ああっ、そんなとこまで……うううっ」

  59. コートの上から男の手が、淑子の下腹部に触れてきた。

  60. 上も、下も、前も、後ろも、
    いくつ伸びてきているのかわからない男の手に嬲られまくる。

  61. (ああああっ、イヤアアッ!!)

  62. もう一度最初から 閉じる