(んっ……あ…………)
何だかお尻の辺りがモゾモゾする。
「うん……んんっ……」
満員電車の中なら、他の乗客と身体が接触することもある。
淑子は腰を動かして、モゾモゾする感触を払いのけようとした。
なのに、それでもモゾモゾする感触がまとわりついてきて、
まったく離れてくれない。
(私のお尻に何があたってるの?)
最初のうちは何なのかわからなかったが、
次第にそれが男の手のようだと感じられるようになってきた。
(誰かの手があたってる……ああっ)
その手は淑子の臀部にべったりと手のひらをあて、
上下左右に、あるいは丸く、撫でるように動いている。
(ええっ……これってわざと触ってるんじゃ……。
誰かがわざと、私のお尻を触ってる!?)
そう考えると、淑子の臀部に触れている手は、
明らかにその丸みを撫でまわすように動いていると判断できた。
(誰から私のお尻に触ってるって……。
私、痴漢されてるの!?)
淑子は満員電車に乗った経験が少なく、
過去に痴漢被害を受けたことがなかった。
「あっ……ううん……」
数回身体をひねってみても、
何者かの手が執拗に尻肉を撫でさすってくる。
これはもう間違いない。
(満員電車って、こういうものなの?
周りにこれだけ人がいるのに……)
まだ1駅分も乗車していないのに痴漢されるなんて。
生まれて初めての体験に、淑子は背筋がゾクッとした。
グウウウウウゥン……プシュ~。ガーッ。
ようやく最初の駅に到着した電車が、停止して扉を開く。
「あっ……」
数人の乗客が下車して、数人が乗車してくる。
淑子の周りに動きはなく、乗客が入れ替わることはなかった。
ガーッ。グウウウウウゥゥン……。
開いた扉が閉じて、電車が再び走りだした。
電車が止まっている間、痴漢の手は淑子の臀部から離れていた。
その手がまた、コートの上から尻を撫ではじめる。
「ああっ……」
今の駅で降りよう、淑子はそう思っていた。
しかし、走りだした電車の中に、こうして乗ったままでいる。
(あああっ、イヤッ……)
再開された尻撫では、さっきより激しく、
ねっちこい触り方に変わってきている。
(満員電車に乗ると、必ず痴漢されてしまうの?)
両手にバッグを持っている淑子は、
身体をよじる以外に痴漢の手から逃げる術がなかった。
(あっ……どうしてっ!?)
誰かの手に触れられる感覚を、
淑子は臀部だけでなく、胸にも感じた。
(ああっ……イヤアアッ……。
男の人の手が……私の胸に触ってる……。
あはあぁ……も、揉んでるわ……うううぅん)
尻と胸とを、淑子は同時に男の手で嬲られている。
(お尻を触ってるのとは違う人の手だわ。
ふ、2人もいっぺんにだなんて……あああっ)
胸を揉んでいる男の腕を目で追えば、相手の顔がわかる。
だが淑子はそうすることができず、ずっとうつむいたままでいる。
(ああっ、ううん……これが満員電車なの?
満員電車に乗ると、こんなふうにされちゃうものなの?)
後ろからと前からの同時おさわりに、
淑子はくねくねを身体をよじらせる。
(ああっ、そんなに揉んじゃ嫌……あはあああぁ……)
最初はコートの表面をさするような手つきが、
乳房を揉みしだき、ぐいぐいこねまわしてくるようになった。
(そんな……電車の中であからさまに……はあぁん)
乳房に指をくいこませ、丸みを鷲掴みにして、
男の大きな手がモミモミしてくる。
「あはっ……ううん……」
淑子の乳房を揉みまくる手が、
胸部の先端をつまんで強くつねってくる。
「はあああっ……そんなことまで……」
その部分は硬くしこり、コートの生地を突き破りそうに尖っていた。
この先端部をつまんでしごかれ、淑子は思わず声を出した。
「ああっ、ああああっ……」
モミモミぐいぐい、2つの乳房が揉みまくられる。
それ以前から撫でまわされていた尻も、
より激しく摩擦され続けている。
触ってくる手の数も増えている感じだ。
(何人の人が、私の身体を触ってるの?)
3人か、4人か、それぐらいの数の手が一斉に淑子を嬲っている。
「ああ……あはあああぁ…………」
モミモミモミモミ……ごしごしごしごし……。
走る密室の中で、
たくさんの男の手が淑子の肉体を愛撫しまくる。
「えっ……はあああっ……」
さらに手の数が増えて、
あろうことか下半身の前面が愛撫されはじめた。
「ああっ、そんなとこまで……うううっ」
コートの上から男の手が、淑子の下腹部に触れてきた。
上も、下も、前も、後ろも、
いくつ伸びてきているのかわからない男の手に嬲られまくる。
(ああああっ、イヤアアッ!!)